親が余命宣告を受けた際、それを本人に伝えるべきか否か・・・悩む方も多いことでしょう。私も父親が余命1年との宣告を受け、その際に思ったことや考えたことがありました。ここでは、余命宣告を本人に伝えるべきか否かについて、患者の家族としての経験から感じたことを記していきます。
親の余命宣告|我が家の場合:言えなかった
私の父親はすい臓がんで、余命1年という宣告を受けました。主治医の先生の「余命を本人にいうと、ショックでガクッとくるかも」ということで家族は余命は伝えないまま、緩和ケアへ進みました。
余命を伝えずに、父親は深い眠りについています。
余命を言わなかったことで良かったこと
- 父親は最後まで自分が治る、自宅に帰れると思って過ごしていました。そのため、辛い治療でも生きることを諦めなかったと思います。
- 非常に怖がりの父親は、余命を宣告されることで主治医のいうように恐怖心に勝てなかったかもしれません。もし自分が父親の立場であれば、自分の余命を知ることは大きなショックだと思います。家族としても、父親が最期に怯えて錯乱するような姿を見ることはなかったため、良かったのではないかと思います。
余命を言わなかったことでデメリットと感じたこと
- 父親は緩和ケアに入院した後も自宅に帰れると思っていたため、父親の会話にあわせて帰宅できるように話を合わせることが、私にとっては非常に辛いことでした。
- 父親は「○○に行きたかった」「○○が食べたかった」と入院中語っていましたが、余命を知っていたら無理をしてでも本人の意思でいったのかもしれません。もしかしたら悔いが残ったのかもしれないと思うと娘として言った方が良かったのではと思います。
- 余命を言わなかったことで、父の車やパソコンをどう処分するとよいのか、最後に呼んで欲しい友人は誰なのかなど、分からないまま会話ができなくなりました。残された側としては、落ち着いた後が大変だと思います。
親の余命宣告を本人に言うべきか言わないべきか
これは、親の性格によると思います。余命を知って自暴自棄になる人と、それなら自分のやりたいことがしたいという人がいるためです。
もし時を戻せたとしても、怖がりの父親の余命を本人に伝えることはないと思います。ただ最期まで自分のやりたいことがしたい、余命を本人に言わないことに憤りを感じていた母親には、余命宣告があれば伝える予定です。
最善の選択は、こういった状況が訪れる前に、家族でしっかり話し合うことだと痛感しました。親はいつまでも元気でいるように思いますが、そうではないことを改めて感じています。
・余命を知りたいか
・最期をどのように迎えたいのか
・お金の話
・私物をどのように処分してほしいのか
・最期は誰に連絡を取って欲しいのか
・最期をどのように迎えたいのか
・お金の話
・私物をどのように処分してほしいのか
・最期は誰に連絡を取って欲しいのか
もし自分が老年期になったら、子供達とよく話し合っておきたいと思います。
もし話すことが難しい場合は、エンディングノートがあるだけでも有難いです。
まとめ
余命を伝えるか否かには一概に正解はありません。私の父親も、余命を知らなかったことで、救われた部分もあったと思います。
ただどちらの選択をしても、「これで本当に良かったのか」という疑問や悔いを見送る側に残さないようにあらかじめ家族でコミュニケーションをとっておくとよいですね。
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